
今回は、こんな声に応えていきます。
英語だとintravenous drip(IV)って言いますね。intravenousが「静脈を通す」です。
当記事で分かること
- 点滴の計算方法について
- 簡単な滴下の合わせ方について
- 計算ツールについて
目次
簡易計算法
時間の計算などが苦手な人が多いと思いますが、これだけ覚えれば応用が効きます。詳しい計算の方法は後述します。
- 20滴≒1mlの場合:9秒に1滴で20ml/hr
- 60滴≒1mlの場合、3秒に1滴(1分20滴)で20ml/hr
(小児ルートは1時間の点滴速度≒1分間の滴下数なので分かり易いです)
基礎知識
一般的に点滴ルートは成人(20滴≒1ml)と小児(60滴≒1ml)で分かれています。成人でも小児でも用途によって使い分けたりもします。
*20滴≒1mlとは、1分間に滴下数を20に合わせると約1mlの投与になりますよって意味です。つまり9秒に1滴で、180秒(3分)で20滴≒1mlとなり、3600秒(1時間)で400滴≒20ml、20ml/hrとなります。
事例(成人用)
点滴速度に合わせて考えてみましょう。主となる輸液が500mlと仮定します。
1日1本だと500÷24≒20ml/hr(①)
1日2本だと①の2倍の40ml/hr
1日3本だと①の3倍の60ml/hr
と、ざっくり覚えておきましょう。
この様に、基準を1つ決めて倍にしたり、割ったりすることで早見表などを覚える必要は無くなります。
暗算に慣れると業務は確実に早く終わるので、最初は辛くても練習していきましょう。どうしても計算が出来なければ、電卓を持てば良いと思います。計算問題を行ってみましょう。
60ml/hrの際、何秒に1滴でしょう。最初に基準とした速度の3倍ですね。
「基準」:9秒に1滴で20ml/hr その3倍だと?って考えます。
150ml/hr際は?
「基準」:9秒に1滴で20ml/hr 何倍でしょう?
100ml/hr、80ml/hr、40ml/hr等々、全て同じ要領で計算できるので試してみてください(^^♪
注意点
参考
①クレンメを握ったままだと力んでて滴下数が変わってしまうので、合わせ終わったら手を離して少し観察しましょう。
②投与する相手の姿勢や腕の位置、血圧測定、静脈圧などで滴下が滞ったり、血液が逆流するので定期的に観察しましょう。
③滴下速度が40ml/hr以下の場合は、成人用だと滴下が遅過ぎて合わせ辛いので、小児用のルートを選びましょう。
④逆に速度が100ml/hrを越えてくる場合、小児用だと滴下数が目で追えないので成人用を使いましょう。
⑤成人用のルートで滴下速度が遅い場合、輸液ポンプを使いましょう。
⑥その他、手落としは誤差が起き易いです。厳密に投与したい注射薬は、必ず輸液ポンプを使いましょう。
⑦空気は普通に混入する程度なら吸収されるので問題無いですが、機械(透析・体外循環など)で大量に送られたり、引っ張られると血栓や空気塞栓により死に至ります。
⑧抗癌剤やカテコラミン、その他薬剤が漏出すると壊死を来したり静脈炎なども起こすので注意しましょう。
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