
今回は、こんな声に応えていきます。
看護師の残業は当たり前、なのに手当は払われないことも多いです。この記事では統計に基づいて、一般的な水準や給料の現状を知れます。 転職、就職、副業などを決めるのに役立つと思うので、参考にしてください。
当記事で分かること
- 全国水準を「数字」で見よう!
- 賃金の種類や水準について
- 夜勤や役職などの手当について
- 個人的に思う看護師の働き方について
<Contents>
賃金(給料・年収・手当・昇給など)を5つの条件とリアルなデータについて
労働基準法第11条では「この法律で賃金とは、賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのものをいう。」と定められています。

薄々勘付いていたと思いますが、いきなりショッキングなデータです。
出典:看護協会
Why
年数が上がると賃金の上昇も緩やかになっていますね。

看護師って、母数が大きいですよね。つまり、引く手数多なのは1つメリットなんですけど、長期的に見るとデメリットになります。
それは「ポスト」の問題ですね。母数が大きい分、管理職以上の座に就く数が限られ、支給額も「平均」では他の職種に追い越されていきます。
看護師より母数や働き口が少なく、就職し難かった人たちは、逆に言えば管理職のポストも倍率は低く、手当などにより賃金が上がっていくって訳ですね。



初任給
4年制大学と3年制大学では、84%の施設が差を付けているそうです。平均で8,000円程度と、1年で考えれば10万円弱違います。
私立大学を1年通うと、100~200万円程度は学費が違ってきます。国公立は比較的安いですね!
時間外手当
以下は時間外手当や労働時間に関するデータです。
出典:看護協会
皆さんの職場は、きちんと時間外手当を支払ってくれますか?
n数は725なので、4000時間以上・・・。
非管理職職の時間外平均時間は「14.1」時間です。そして支払われた平均時間は「8.1」時間です。毎月「6」時間も支払われていないと言うことですね。現状が分かっているのに素早く改善されないのは、大人の事情ってヤツですかねぇ。この数字は、一つの目安になります。
ちなみに就業している看護師は100万人以上です。この平均時間がそのまま使えるかは疑問ですが、想像すると凄いですね。「納得していない」に近付くほど、時間外労働の不払いも当然ながら広がっています。月「9」時間と言うと、単純に考えると1万円以上になり、モチベーションや離職に繋がるのも当然ですね。
1年続けば15-20万程度になります。
夜勤手当

夜勤は好き嫌いが結構出ますよね。仮眠が取れれば良いですけど、施設によってはベッドも無かったり・・・。
ここで言う「深夜」とは、22時~5時の時間帯を言います。
夜勤手当
2011年の一般病棟の手当は、準夜帯4,399円、深夜帯5,490円、二交代制夜勤11,276円です。これは深夜割増賃金は除いています。5年前より10%程度は増額しているようですね。
支払いの方法は二つ!
- 深夜割増賃金(夜勤手当別)⇒施設割合42.3%
- 深夜割増賃金(夜勤手当込)⇒施設割合46.1%
深夜割増賃金とは
「深夜」の時間帯では、25%の割増賃金を支払うようにと労働基準法で定められています。

私はよく聞きますが、これは残業で22時を超えた場合、50%以上上乗せした賃金を支払う必要が出てくる為です。
夜勤手当が別になっている病院が良いなって思いますね!ただ、5%弱の施設は「手当」を支払っていないそうです。

あなたの病院は「5%」に入りますか?
他のところで補われていれば良いですけど、補填が無ければ月4回の二交代制夜勤で40,000円程度違いますね。
多くの病院は出していますが、夜勤手当に支払い義務は無いです。
では、「夜勤手当」が「別」で払われる施設の割合を見てみましょう。
- 病床数99床以下:27.8%
- 病床数500床以上:75.3%
ポイント
更に設置主体別で見ると、「医療法人」や「個人病院」は16.7%と低いようです。
手当を気にする場合は、確率的に言えば500床以上の「医療法人」・「個人病院」以外を1つの基準で選ぶのが良さそうですね。
また、夜勤の回数が増えることで手当の増額などをしてくれる施設は2,651施設中12.1%存在するようです。
私は夜勤が好きで、公休も増えるので一時期夜勤専従を行っていましたが、この働き方でも961施設中16.5%の施設は特別な手当を充てるそうです。別の優遇をする場合も・・・羨ましいですね。

夜勤は身体には良くないので、お勧めはしません!特に妊婦は法律上断れるので、子どもを案じるなら断りましょう。
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【夜勤】休憩無し?看護師の仮眠・職務形態・労働環境などに関して
役職による昇給は?
専門・認定による昇給は?
出典:看護協会
では資格の取得で、看護師の給料はどの程度の施設が上げているのでしょう?
結論から言うと、50%以上の施設が昇給も手当も無しです。
勿論、お金目的では無くてスキルアップや交友関係、何かしらの目標で取得している人も多いと思います。ただ、資格によっては病院のステータスや診療報酬にも影響するのに、手当無しは酷だと思います。
私も一時期興味が出たり、勧められましたが、病院のステータスや診療報酬で利用されるのも嫌だなあと、結局断りました。仕事が増えるだけで給料は上がらず、更に学費の援助も微々たるもので、5年に1回の更新料(5万円程度)付きです。
病院にもよるので、きちんと確認しましょう。
推薦を受け、断れないで資格や役職の道に進んで後悔している人も見るので十分に考えましょう。
信念を持っている人は、そのまま目標に向かって進めば良いと思います!これを読んで躊躇してしまう人は、一度資格を取ったり役職に就く「目的」を検討した方が良いかもですね。

「手当」:20%程度、「昇給」:10%程度、「両方」:5%程度です!
手当の最高額は10,000円程度です。
永年在職・転職・副業の1つの基準と中途採用の給料査定について
今回は看護師の「賃金」に重点を置いて解説しました。
自分の病院の水準が何となく掴めたと思います。これらの賃金のデータより、看護師は給料を上げるのが大変だと言うのが分かりました。

職場の環境が悪い人は、そう思ったでしょう。では中途採用者のデータはどうなのでしょうか。
中途採用
出典:看護協会
上のデータは、「非管理職」の看護師経験年数に対する評価をグラフ化したものです(n=2,651)。
「全て評価」と「一部評価」が半々に分かれて、「全く評価しない」と回答した施設は約2%でした。内定後に再評価をしない施設が70%強ですが、その半数は「全て評価」している施設なので、実質35%程度の施設が入職後「一部評価」又は「評価無し」のまま放置していることになります。
施設に再就職する場合は「雀の涙」と言えど、年単位で働く場合はきちんと能力を評価する施設か確認した方が良いですね。
塵も積もれば山となる
永年在職・転職の基準とは
以上のデータより、1つの基準を以下にまとめるので参考までに。
永年在職
- 地域や病院に骨を埋める覚悟を持っている
- ポストを貰える自信や意欲を持っている(能力・推薦・年数・研修など)
- 時間外労働はきちんと払ってくれている
- 資格(専門・認定)の優遇が「昇給」「手当」でされている
- 心身に余裕を持って働けている
転職
- 色々な病院や地域を回ったり、フレキシブルに行動したいと思っている
- ポストに興味無し
- 時間外労働が支払われないでいる(平均は「6」時間)
- 資格(専門・認定)の優遇が全く無し
- 心身に負担が強く、環境を変えたいと思っている
副業
転職以外にも、副業で賃金を補うのも良いと思います。
今回の記事で言うと、基本給や手当などの伸び悩みがデメリットになりますよね。コロナの影響も出ています。
ではメリットは何でしょう?
個人的には入口、つまり採用され易いので、働き方の融通が効くのはメリットだと考えています。就職難で内定が決まらない!なんてことは少ないでしょう。
転職エージェントだけで20万件近くの求人が存在します。
迷っている人は1度足を止めて、好きなことを副業にしてみては?独身のうちに挑戦した方が身軽ですし、貯金に困れば短期でも働けます。勿論、結婚してからでも遅く無いです。
場合によっては観光気分で職場も渡り歩けるって最高ですよね!仮に環境が悪くても数ヶ月で終われます。私もその内試そうと思ってます。
ただ多くの人が未経験で、新天地に行くのを躊躇うと思います。「現状維持バイアス」、「損失回避」ってヤツです。不確定な未来より、今の状況を変えることによる「損失」に重きを置いてしまいます。
まとめ
- 初任給は、80%強の病院では4年制大学を8,000円程度優遇している
- 但し、私立の場合は1年で150万前後は学費が増える
- 「管理職手当」「夜勤手当」では、病床数500床以上が有利
- 反対に「医療法人」「個人病院」は20%弱
- 「医療法人」「個人病院」は20%弱に賃金表無し
- 残り80%の病院のうち、20%程度は公開・昇給(人事考課)を設けている
- 非管理職の時間外平均は14.1時間、残業代の平均支払いは6.1時間
- 看護師の半数は納得していない
- 夜勤手当はざっくりと二交代制で11,000円程度
- 500床以上は75%程度、99床以下は28%程度で夜勤手当が「別」になっている
- 「医療法人」「個人病院」は20%を切っている
- 「連続夜勤」「夜勤専従」で特別手当が発生するのは15%程度の施設
- 資格(専門・認定)の優遇は半数以上の施設で無し
- 優遇される施設の割合は「手当:20%」、「昇給10%」、「両方:5%」程度
- 再就職時の評価は半数が「一部評価」で、「評価無し」が2%
- その後の再評価は35%の施設で「一部」又は「評価無し」のまま
- 副業を考えても良し
