
今回は、こんな声に応えます。
当記事で分かること
- 看護過程とは
- SOAPについて
- 優先順位の決め方について
- 計画実行時の注意点について
<Contents>
看護過程とは
ポイント
- アセスメント
- 看護診断
- 看護計画立案
- 看護計画実施
- 評価
一般的には、こう教わります。ちょっと分かり辛くないですか?看護過程とは・・・えっと~ってなりそうです。そもそも、評価とアセスメントって、内容は違えど意味は同じです。私は経験や慣れで分かりますけど、学生だと何コレ?ってなりそうなので噛砕きます。
SOAP
看護過程の多くは、ここに集約されています。これだけ覚えて、派生させていけば良いです。「SOAP」は、「看護過程」と違って具体的なので、イメージがし易いです。
一般的に言うと、SOAPはPDCAcycleに似ています(有名ですので覚えておくと便利です)。詳しくは割愛しますが、Plan(計画)→Do(実行)→Check(評価)→Action(改善)ですね。
SOAPは、POS(Problem Oriented System:問題志向型システム)に組み込まれたシステムです。「情報」、「問題」、「計画」、「記録」(SOAP・要約)に分かれます。
情報収集・整理
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ポイント
看護過程の①アセスメント、⑤評価で必要になります。POSで言うところの「情報」ですね。この情報を整理する上で学生が頑張って作るのが、「関連図」です。患者が困っていること、問題行動などは、計画に反映し易いので覚えておくと言いでしょう。但し、優先順位には気を付けましょう(後述)。

S(Subject):主観
発言をそのまま記載します。「と言っていた」などの文章は入れません。また、多弁(お喋り)だからと言って全て記載せずに、計画に関係する言葉のみを抽出します。更に、新たに計画が必要になりそうな言動にも注意します。精神看護や、家族看護などを行う場合は情報量が多くなる傾向です。
O(Object):客観
見た情報をそのまま記載します。Sdataと同様に、「~だと考える、思う」などの文章は入れません。患者の外観以外にも、バイタルサイン、検査値や画像、排液など、状況にもよりますが一般的にSdataより多いです。特に集中治療室では、患者が気管挿管や意識障害などで会話が行えないので、より多くなる傾向です。
問題の妥当性
ポイント
看護過程の②看護診断、POSの「問題」になります。
A(Assessment):評価
S・Odataで情報の収集と整理を行った上で、患者の問題点を抽出します。慣れないうちは「関連図」で整理しましょう。書き方としては、「~(情報)より、~(情報から推察される背景)だと考えられるので、~(その背景の解決に必要な看護手段)をする」など。
問題の抽出方法は、個人的には病状とマズローの欲求5段階を覚えて、応用していくのが楽だと思います。思い出せますか?個々で段階は多少変わるようです。
ポイント
- 自己実現の欲求
- 承認の欲求
- 所属と愛の欲求
- 安全の欲求
- 生理的欲求
一般的には、生理的欲求(生命)、安全の欲求、・・・と段階的に優先されていきますが、ここに個別性を踏まえないとNGです。それと、生理的欲求の下には「予後(生命・機能)」も存在すると考えると、優先順位が設定し易いかもしれません。
予後とは、生存率や機能(臓器など)のことです。生命予後は単純に助かるかどうか、機能予後は臓器によって意味合いは違ってきます。例えば、生存率が良くても脳に重篤な障害が残れば、生命予後は良くても機能予後は不良です。
例
糖質制限中の患者が「ジュースを飲みたい!」(生理的欲求)と言っています。マズローの段階的には最優先ですが、治療上恐らく「予後(生命・機能)」の観点から許可は降りないと思います(一度確認するのがベスト)。ここで介入すべき看護は、「ジュースを飲ませる」では無く、「説明・指導」や、どの様に工夫して「甘味」を付け足すかなどですね。
急性期に近付けば近付くほど、生命危機に瀕している可能性が高いので、一番下の段が強くなる傾向です。例えば、39度の高熱が出たときに「よっし、友達と遊ぼう!」(所属欲求)とは思いませんよね?安全なところ(安全の欲求)で、ゆっくり過ごして食事、飲物(生理的欲求)を摂取したいはずです。
ポイント
問題の優先順位を決めていく場合は、病状を最優先に考えます。なぜなら、入院している人の大半は治療を目的にしているからです。病状が悪くなる看護介入は、本人が希望していたとしても余程の理由が無い限りは避けるべきです。
看護は治療の延長線上で介入するので、必ず病状が関わってきます。一般的に、ご飯を食べに、体を拭きに、その様な理由で病院には来ないのです。座学では患者無しのケースも多いので、実践で急に展開しろと言われても、「#1清潔」などとなってしまいがちですが、必ず患者の状態(個別性)を含める必要が出てきます。
例えば、例の高熱の人に「#1清潔」、「#2体温」と計画しても順番が違います。順番の話で、立案するのが悪いって意味じゃ無いです。
立案・実践
ポイント
看護展開の③看護計画立案、④看護計画実施、POSの「計画」になります。
P(Plan):計画
ポイント
学生の時は誰が見ても実践可能な様に、5W1Hで書いていくと思います。普段から行うこと(「いつ」、「誰が」)などの当たり前の項目は要らなそうですが、まずは学校の方法で書いていきましょう(/・ω・)/
- When:「いつ」
- Who:「誰が」
- Where「どこで」
- What:「なにを」
- Why:「なぜ」
- How:「どのようにして」
- O(observation)P:SOAPの「O」dataに相当する観察となる計画のこと
- T(treatment)P:清拭・排泄などの実際に援助する計画のこと
- E(education)P:口頭・パンフレットなどで行う教育・指導関連の計画のこと
立案・実践
ここが学校・病院によって違っていて厄介なところです。統一して欲しいですよね。ヘンダーソンを使うところ、ゴードンを使うところ、NANDAを使うところなど。それぞれの学校・病院で使っている方法で、抽出した「問題」を幾つか順番に組み込んでいきましょう。
今はケアプランになっている病院も多いですし、完全に勤務先で変わってくるので、項目を丸暗記しても試験以外では余り意味は無いでしょう。

実践する際に重要となるのは、その時の患者の状態を把握することです。清潔行為などをする際に、「計画」をゴリ押しして無理に実行する看護師を見掛けますが、見習ってはいけません。
皆さんも気分や体調が優れなくて、お風呂に入らないことも時にはあるのでは?患者だと尚更です。メリットとデメリットを天秤に、メリットが大きい時には配慮して行うべきだと思います。
時間を変えたり、鎮痛剤・制吐剤を使用したり、性別を考慮したりと状況によって様々です。実践して、改善が必要な場合は「修正」などを行います。問題が無くなれば「解決」、そのまま経過を見る場合は「継続」って具合ですかね。病状が変われば、計画も変わっていきます。
まとめ
- 看護展開は、SOAPで覚えるのがオススメ!
- 患者の入院生活で困っていることや、問題行動などは看護介入となり得る。
- 情報収集(S・O)⇒関連情報抽出(整理・関連図)⇒問題抽出(A)⇒計画立案(P)⇒計画実践(P)
- ⇒実践時情報(S・O)⇒評価(A)⇒修正・解決・中止など(P)⇒(以降繰り返し)
- 計画の優先順位は、マズローの欲求5段階+治療予後(生命・機能)
- 計画の実践は、自分本位にならずに患者の損得を考えて行う。
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