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【心臓】スワンガンツの正常値や薬剤作用について<看護師国家試験>

2020年9月8日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

心臓のパラメーターって?スワンガンツカテーテルの数値が知りたい!αβ受容体?心臓の薬剤について知りたいな。

今回は、こんな声に応えます。心臓に関連するパラメーターや薬剤を中心に見ていきます。国家試験範囲ですが、臨床でも十分使える内容です。

当記事で分かること

  • 中心静脈カテーテルについて
  • スワンガンツカテーテルとは
  • 動脈留置針(A-line)とは
  • 測定可能な数値について
  • α・β受容体について
  • 心臓で使う薬剤について(主に降圧薬など)
  • 抗不整脈薬、カリウム製剤などは除く

循環器系パラメーターについて

単位

最初に、単位の説明です。水柱(cmH2O)と、水銀柱(mmHg・Torr)では数値が違います。

水と水銀では重さが違うので、同じ圧力を測定しても水銀の値が低くなります。基本的にモニターの単位は水銀柱で、目測でドレーンなどの水面の動きを見る場合は、水柱だと考えると分かり易いと思います。

換算:1.36で計算すると換算できます。(cmH2O /1.36)= mmHg、(mmHg x1.36)= cmH2O

Torrの由来は、エヴァンジェリスタ・トリチェリ氏が発見したことより来ています。ガリレオ・ガリレイの弟子らしいですよ。

中心静脈カテーテル

どこに挿入するの?

一般的には内頸静脈、大腿静脈、鎖骨下静脈に挿入します。

感染や、看護上の管理の面では、鎖骨下静脈が好ましいですが、気胸などの危険性も高いです。また、末梢より挿入する「PICC」と呼ばれるカテーテルも存在します。

何に気を付ければ良いの?

準備に関しては下記書籍がオススメです。気管挿管など、基本的な処置は網羅されています。

処置を先読みできる

Amazon:診察と手技がみえる vol.2

合併症

動脈穿刺、血腫、空気塞栓、迷入などが考えられます。処置中には、深く挿入することによって心室を刺激し、PVCなども起き得ます。

挿入後はレントゲンでカテーテルの位置を確認します。感染徴候に注意し、患者の状態や挿入部位などによっては入浴も可能です。

中心静脈圧(CVP:Central Venous Pressure)

文献などで数値は多少変わります。患者の状態で意味合いも違うので、細かな数字まで覚えようとせず、中央値付近をベースに覚えるのをオススメします。

中心静脈圧は、大静脈圧と同じで、右房圧(RAP:Right Atrial Pressure)と同等です。今は水柱を用いることは少なく、モニターを通して水銀柱で表示されます。

正常値

水銀柱で5mmHg前後です。体液量が増えると上昇し、出血などにより下がります。また、心タンポナーデや緊張性気胸などの閉塞性ショックなどでは、心臓の拡張障害により、循環が滞って上がりますが、血圧は下がります。

スワンガンツカテーテル

より多くのパラメーターを観察できます。カテーテルの先端は、肺動脈に置きます。

Check

肺動脈圧(PAP:Pulmonary Artery Pressure)は、血圧の2割(1/5)程度と言われています。

また、拡張期圧は肺動脈楔入圧(PAWP≒PCWP:Pulmonary Artery Wedge Pressure)に近い数値となります。

肺動脈楔入圧は画像の先端に付いているバルーンで右心室との交通を遮断するので、その先の左房圧などに近くなります。

この値が18mmHgを越えると、フォレスター分類のⅡ群又はⅣ群に入ってきます。フォレスター分類のCIの基準値、2.2L/min/m2も覚えましょう。

CO、CI、SVなどは先回の記事や動画を参考にしてください。

動脈留置針

一般的な動脈に挿入する管は、橈骨、上腕、大腿、足背などの動脈を選びます。リアルタイムで数値が測れます。

波形からは、大動脈弁閉鎖までの面積で1回拍出量を、閉鎖時の圧切痕で末梢血管抵抗などの情報も読み取れます。製品によっては、それ単独で1回拍出量などを測れるモノも存在します。

循環器の薬剤について

強心薬・カテコールアミン

αβ受容体が分からないです・・・。

α受容体の覚え方は、血管収縮作用を持つアドレナリン(Adrenaline)の頭文字の「A」を「α」に関連付けたり、「α」で血管をイメージしてみましょう。

α1は刺激すると血管を収縮させます。

β受容体は「1」は心臓の鼓動(Beat)、「2」は呼吸(Breath)又は「β」を左肺に重ねてイメージしても良いかもしれません。左肺は上下二つに分かれるので、一石二鳥!

β1の刺激で心収縮力を上げ、β2の刺激で平滑筋(血管・気管支など)を拡張させます。

  • ドブタミン:合成カテコールアミンです。α1、β2作用も持っていますが、基本的には選択的にβ1受容体に効くように設計されており、心収縮力を上げます。
  • ドパミン:投与量を上げていくと、図の右より左に効果がシフトしていき、不整脈も起き易くなります。
  • アドレナリン:主要な三つの受容体に作用します。β2(気管)にも効くのでアレルギーなどでも使用します。
  • ノルアドレナリン:β2以外に作用し、強力に血管を収縮させ、血圧の上昇により迷走神経反射が起き、心拍数が減ります。

*ドパミンはノルアドレナリンの前駆体で、ノルアドレナリンはアドレナリンの前駆体です。

カルシウム拮抗薬

カルシウム拮抗薬、硝酸薬、β遮断薬、抗血栓薬などは狭心症治療薬です。

カルシウム(Ca)拮抗薬とアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB:Angiotensin Ⅱ Receptor Blocker)は、合わせると高血圧患者の半数以上が服薬しているので、比較的遭遇するでしょう。

カルシウム拮抗薬は、平滑筋を収縮させる役目となる、カルシウムイオンの通り道であるカルシウムチャネルをブロックし、血管拡張を起こします。血圧だけで無く、冠攣縮予防に用いられます。

硝酸薬とは

ニトログリセリン製剤ですね。閉塞していると無効ですが、閉塞部位以外の側副血行路を広げたり冠攣縮を予防する働きもあります。側副血行路とは、道路で言う脇道みたいなものです。長い間血流が滞ると生体が脇道を作り始めます。

ARB・ACE阻害薬

ARB・ACE

ARBとアンジオテンシン変換酵素(ACE:Angiotensin Converting Enzyme)阻害薬は、図の通りです。アルドステロンになる手前の、RA系に働きます。

まず、血圧低下や水分などの喪失を腎臓がキャッチしてレニンを分泌します。その後、肝臓で作られるアンジオテンシノーゲンに作用し、アンジオテンシンⅠに変換します。更に肺などの血管内皮細胞で作られたACEにより、アンジオテンシンⅡに変換されます。ACE阻害薬は、変換する前にACEをblockします。

しかし、ACEは咳の基になるブラジキニンを分解してくれますが、ACE阻害薬により作用しなくなります。

結果、副作用として空咳が出現します。

ARBはアンジオテンシンⅡに変換された後の受容体に拮抗し、血圧上昇作用を抑えます。空咳は出現しません。

α・β遮断薬

遮断薬は先程の図を見ると良いです。

α遮断薬は、α1に作用して血管を広げて抵抗を抑えてくれます。血管収縮作用を抑制するので、起立性低血圧を起こし易いとされます。

β遮断薬は虚血性心疾患の予後を良くすると言われており、β受容体に作用して心臓の仕事量を減らし、休ませてくれます。β1に選択的に働いたり、αにも作用する薬などもあります。

気管支拡張や心拍数を抑制するので、喘息や徐脈の患者には注意します。また、β作用のみの場合は、相対的にα作用が活性化され血管を収縮してしまうので、冠攣縮性狭心症への単独投与は推奨されていません。

利尿薬

利尿薬は、循環血液量を減らして血圧を下げます。ループ利尿薬はカリウムの排泄を促し、カリウム保持性利尿薬は抑制します。

ナトリウム、カリウムの数値や脱水などに気を付けます。

抗血栓薬・抗血小板薬

血栓に対しては、初期治療でも使った抗血小板薬と、抗凝固薬が存在します。

止血には血小板が主役の一次止血と、その上にくっ付く形で止血するフィブリンが主役の二次止血があります。

抗血小板薬は一次止血に、抗凝固薬は二次止血に作用します。

ざっくりと言えば、動脈血栓は抗血小板薬、静脈血栓は抗凝固薬です。心房細動、体外循環などではヘパリンを使用します。ワーファリンは内服で、ビタミンKの摂取を控える必要がありますが、DOACと言ったビタミンKに左右されない薬も存在します。

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