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【看護師】3部署で解説する病院及びクリニックの仕事内容と選び方

2020年9月23日

集中治療室で10年以上働き、ブログを起点に医療情報やお役立ち情報を発信しています。医療学生・新卒看護師向けに分かり易く解説するコンテンツも制作しています!国家試験に合格したのに臨床で上手く使えない…と思っている人は結構多いです。折角学習するのに臨床で活かせないのは勿体無いです。効率的・体系的に学びつつ臨床に活かしましょう!

・病院とクリニックって、どう違うの?

・仕事の内容は?

今回は、こんな声に応えていきます。

病院、クリニックの特徴やお勧めの選び方を解説していきます。就職先希望や転職の際などに迷っている人は参考に是非どうぞ。

本記事の内容について

・病院看護師と3つの部署の仕事内容とは

・クリニック(診療所)と業務について

・メリットとデメリット

 

1.病院看護師の3つの配属先での仕事内容とお勧めされる人とは

看護師の配属先は以下の通りで、圧倒的に病院が多いです。

  1. 病院:70%程度
  2. 診療所(クリニック):15%程度
  3. 介護保険施設:7%程度
  4. 訪問看護ステーション:4%程度

参考:厚生労働省「平成30年衛生行政報告例(就業医療関係者)の概況」

>病棟

主な業務内容を記載していきますが、病院によって、また同じ病院でも科や病棟で内容が結構変わってきます。

更に受持看護師、リーダー看護師、フリーなどの役割でも違うので千差万別です。例えば、診療科だけでも以下の通り40種類程度存在します。

精神科に興味を持っている方は、その道の執筆者を紹介します。

ハチ精神科看護師ブロガー@nursehachiblog(Twitter)

出典:平成30年(2018年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況

以下に、各部署の流れを一例として載せます。


  • 8:30

    業務開始(患者の予定確認)


  • AM

    カンファレンス

    医師指示簿確認・修正依頼など

    バイタルサイン測定(頻度:重症>軽症)

    点滴・処置・手術・検査・看護ケアなど

    ナースコール対応・入退院調整・記録など


  • 食前後内服・インスリン注射など

    栄養剤投与・配膳・食事介助・下膳など


  • 昼休憩

    順番


  • PM

    午前中に引き続いて未達成の業務など

    引継ぎ(申し送り)準備など


  • 16:30

    夜勤に引継ぎ


  • 17:30

    退勤・残業

    その他役職や係の仕事などで居残り


メリット

・患者が軽快していく流れが分かる

・意思疎通や看護ケアを比較的多く行っていける

・患者と顔見知りになれる

・処置や検査なども経験を積める

・電子カルテには比較的慣れる

デメリット

・診療科によって業務内容が多岐に渡る

・記録が多くて面倒臭い

・在院が長いほど時間経過を追うのに手間取る

・モンスターなどが入院すると在院中は気が滅入る

>手術室

・器械出し看護師:医師に無菌的に器材などを渡す役割です。

・外回り看護師:追加器材の搬入、環境調整、記録、患者のサポートなどを行います。


  • 7:30-8:30

    器械準備(器械出し看護師)

    役割分担(Briefing)

    入室準備(外回り看護師)


  • AM

    外回り看護師

    定期手術受入・入室確認・環境調整など

    麻酔科医の補助(気管挿管・留置針・尿管など)

    記録(出血量・ドレーン・尿量など)

    器材搬入・検体受取など

    ガーゼカウント・針カウントなど

    患者の麻酔覚醒時の介助・衣類調整・皮膚観察など

    器械出し看護師

    執刀医・助手への器械の手渡し

    進行状況に合わせた器械の準備

    標本の受け取りなど

    必要時外回りと連携する

    ガーゼカウント・針カウントなど

    器材チェック、片付け


  • 昼休憩

    変則的(リーダー看護師が手術の状況を見て決める)


  • PM

    AMと同じ


  • 17:00

    手術が続いている場合は引き継ぐ


メリット

・祝日などは緊急手術が無ければ落ち着いている

・臓器を生で観察できるので解剖に詳しくなる

・器械出しなどの技術や物品の知識が身に付く

・キャップにマスクなので化粧無しでもイケる?

・足腰が強くなり、健康に良し

・厄介な患者も大して影響無し

デメリット

・立ちっ放しで作業するので疲れる

・術前準備が要るので早出になる

・一般的な看護技術は身に付き難い

・常にマスクで息苦しくなる

・多くの患者とはその場限り

>初期診療室(救急外来)


  • 8:30

    業務開始


  • AM

    入電を医師が受け、情報を基に予測して準備を行う

    救急車到着・対応・救急隊接触

    様々な疾患が来るので臨機応変に対応する

    心肺蘇生・採血・心電図・心エコー・ルート確保・衣類除去・貴重品管理・家族誘導

    バイタルサイン測定・点滴・処置・手術・検査・看護ケア・記録など


  • 昼休憩

    臨機応変


  • PM

    AMと同じ


  • 17:00

    患者が居る場合は夜勤に引継ぎ


メリット

・救急車次第なのでメリハリが付く

・要請が無ければ比較的余裕を持って過ごせる

・心肺蘇生、初期治療、トリアージなどのスキルが身に付く

・留置針や心電図などの処置や検査のスキルも早く身に付く

・救急隊と仲良くなれる?

・病院によって病院前救助や災害救助なども行ける

>Dr,Car、Dr,Heli、DMATなど

・様々な疾患の知識が身に付く

・外来のスキルも身に付く

デメリット

・リアルタイムの記録を要すので紙カルテが多め

>電子カルテ操作に疎くなる

・更に字が下手だと受け手が記録を読めずに「?」になる

・落ち着いていると時間の流れが遅め

・重症患者や急変、処置などで血を浴びる確率が高め

・確定診断が付いていないと感染症などを貰う危険性が高め

・様々なスキルを要すので新卒だと死に物狂いかも

>一般外来

クリニックと似ているので割愛します。

>病院看護師のメリット・デメリット

お勧め:取り敢えず色々挑戦してスキルアップしたい人

メリット

・色々な診療科を学べる

・器材なども豊富で経験を積める

・多職種と繋がれる

・夜勤で給料UP

・病院や業者によるセミナーなどが開催される

デメリット

・役職などが多く仕事が増える

・残業は比較的多め

・人が多いので噂話は色々流れる

・健康被害(夜勤・残業など)

・必須講習など

2.クリニック(診療所)の仕事内容とお勧めする人とは

まず病院との違いです。医療法第一条の五によると以下の通りです。

引用:e-Gov法令検索

第一条の五 この法律において、「病院」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、二十人以上の患者を入院させるための施設を有するものをいう。病院は、傷病者が、科学的でかつ適正な診療を受けることができる便宜を与えることを主たる目的として組織され、かつ、運営されるものでなければならない。

2 この法律において、「診療所」とは、医師又は歯科医師が、公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所であつて、患者を入院させるための施設を有しないもの又は十九人以下の患者を入院させるための施設を有するものをいう。

つまり、20人未満の入院設備は無しも含めて診療所となります。クリニックと同義です。皆さんも通院などの経験で察しが付くと思いますが、主な業務内容は以下の通りです。

簡単な流れ

  • 受付(カルテ準備)
  • 問診・呼び出し
  • バイタルサイン
  • 採血・点滴・検査説明
  • 心電図検査・レントゲン検査・血液透析など

主に軽症の患者が来院されます。5番に関しては、クリニックの設備によって変わってくると思います。それ以外に、シーツ交換、器材の消毒(環境整備)、会計案内、電話対応などでしょう。場合によっては、玄関や床の掃除、草むしりなど。

入院設備を設けたクリニックも存在するので、その場合は病床での援助が必要になり、夜勤も発生するでしょう。

特徴

・地域密着型

・軽症患者

・スタッフは少人数

・老若男女が来院する

>ワクチンなどは予防接種推奨

>クリニックのメリット・デメリット

お勧め:私生活が第一優先な人

メリット

・定時で帰宅できる

・役職などの雑務など無し

・夜勤は少なめで健康に良し

・地域密着型

デメリット

・重症度患者の経験は難しめ

・少人数なので関係性による影響は多大

・夜勤は一人で行うことが多め

・夜勤が少なく比較的手当の少ない施設が多いので給料も少なめ

・即戦力が必要なので新卒では厳しいかも

・大きい病院と比較して福利厚生などは劣る


今回は、「病院・クリニックの違いと仕事内容」について解説しました。

ポイント

病院、診療科、各部署などで仕事内容は多種多様になり一概には言い表せませんが、基本的な流れは似ていると思います。人生を左右する選択ですので、選べる人は情報収集をして自分の適性に合った配属先を選びましょう!

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